知識創造企業である獺祭の旭酒造の競争戦略

ビジネスとは、必ずしもセオリー通りではない。

ビジネスは日々、進化しています。

日本の伝統産業である酒造りも独自性により顧客に選ばれる企業があります。

 「2014/1/18 逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法   (著)桜井 博志」から独自性を研究しましょう\(゜ロ\)(/ロ゜)/

逆境経営―――山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法 | 桜井 博志 |本 | 通販 | Amazon

杜氏がいない酒造

「徹底的に『美味しい酒』を造ろう」

桜井社長(当時、旭酒造・現会長)は前人未到の領域へチャレンジしようとしていた。

地元山口でも負け組の酒造を継いだ桜井社長がいかにして「旭酒造」と「獺祭」を有名にしたのか、本書のストーリーです(;゚Д゚)

旭酒造株式会社のHP→獺祭の蔵元|旭酒造株式会社 (asahishuzo.ne.jp)

旭酒造では、山田錦という米から「獺祭」のみを作っています。

製造工程は、杜氏を置かずに科学的に分析しならがら酒を造っています。

これだけでも非常に驚かれる状態なんですねΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)

「獺祭」がまだないころは売上欲しさに紙パックの低価格の酒も造っていたとのこと。

企業である限り社会に貢献しなければ存続する価値はない。

私は、大吟醸造りに挑戦することにしました。

勇気を持って、「普通」を捨てることを決断したのです。

本書よりP9

ある2つの出来事により、純米吟醸と並行して造っていた普通酒ではなく一本に絞るというきっかけがありました。

一つ目は熱燗でも冷でもいける商品を造る大手酒造は顧客を絞れない。

顧客をしぼり「冷やで飲む酒」これ一本でいく。

二つ目はワイン酵母を使用した純米吟醸を造って顧客に提供したら「ワイン酵母のお酒が美味しいの?2000円でしょ、2000円のワインよりおいしいの?」という疑問にハッとさせられたという。

「日本酒はあくまで日本酒らしく、ワインみたいな日本酒を造ってもワインに勝てません」

価格に見合った満足を提供できなければ、お客様は美味しいと感じてくださらないのです。

本書よりP21

お金を払ってくれるのは誰か、顧客なのである。

これ以降、「話題性」や「物語性」「非日常性」で酒を売ろうとするのを極力避けて、自分たちの信じる酒を世に問うことにより、製品を売ろうとするようになりました。

本書よりP22

常に変わろうとする旭酒造。

私は伝統として酒蔵の仕事に誇りを持っていますが、手法にこだわりはありません。常に、より優れた酒を目指して「変わる」ことこそ、旭酒造の伝統でありたいと思います。

本書よりP26

桜井社長は杜氏に頼らない酒造りに挑戦するのでした(;゚Д゚)

「経験と勘」は数値化して「見える化」する

杜氏に頼らず、社員で造る科学的な酒造り

本書よりP60

獺祭が売れれば売れるほど獺祭を造る設備は増強されていきます。50億以上はかかったと本書より(;^_^A アセアセ・・・

夢と将来計画が先行して資金繰りが見えてなかったからできたという・・・(すごい、、、(;゚Д゚))

狭いマーケットで競争しない

獺祭のマーケットは山口県ではない。東京や海外といったマーケットなのだ。

海外での私たちの仕事は、ワインと似せたような酒や、酸っぱかったり甘かったりする酒ではなく、私たちがよいと信じる酒、現に、お客様に納得いただいている酒を出して、そのうえで「日本酒とは何か」「日本酒の美味しさはどこにあるのか」という根源的な意味を説明し、理解してもらうことです。

本書よりP78

酒造りにおいて日本的な追求と決別があります。

追求すべき「日本的なもの」とは、すなわち、「洗練」だと思います。「カイゼン」と言い換えてもいいかもしれません。

本書よりP149

ただし、ともすれば細部にこだわりすぎて、本質的なところを(結果として)追求できないという欠点を持っています。

本書よりP151

しかし、人知を超えた神業があることを桜井社長は知っています(;゚Д゚)

酒造りは「技術が大事で、マニュアルがあれば酒はできる」と公言してはばからない私ですが、同時に「わからない領域がある、ということが理解できないと、本質はわからない」のもまた真実だと思っています。学校の勉強に必ず正解がありますが、酒造りに正解はありません。

本書よりP155

桜井社長は後継者である現社長の桜井一宏社長へも言葉を書かれています。

人も企業も「味方」がいて「調子のよいとき」というのは成長しません。「敵」に囲まれ「ピンチのとき」こそ、成長させてくれる。しかも、経営者は育てられない、と私は思っています。

本書よりP177

本書が書かれているとき2013年(平成25年)9月期で売上高は39億円と記載がありました。

2022年(令和4年)では売上高が150億円を超えるという・・・獺祭は世界を席巻する\(゜ロ\)(/ロ゜)/

あとがき

日本が世界に誇る「獺祭」。

日本酒という表現ではない。

潰れかけた酒蔵を継いだ桜井社長の、顧客への価値提案と独自性がよく分かりました。

自分でやるしかないと腹を括ったところから、いろな智慧が出てくる(桜井博志)

「致知」2014年5月号より

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