お掃除会社・四国管財の「ホウ・レン・ソウ」を活かした独自戦略

中小企業は大企業のような資本力はありません。

逆に言うと中小企業は資本力がない分、アイデア次第でビジネスは展開できます。

中小企業のアイデア、それは独自性や差別化にもつながります。

ただ一つのことを極めるだけで世の中に必要とされる企業があります。

「2021/8/11 かかわる人を幸せにするお掃除会社 本気のクレーム対応と魔法のホウ・レン・ソウ   (著)中澤 清一」

Amazon.co.jp: かかわる人を幸せにするお掃除会社 本気のクレーム対応と魔法のホウ・レン・ソウ : 中澤 清一: 本

ホウ・レン・ソウで心理的安全性を担保する会社

四国、高知県にあるお掃除会社「四国管財株式会社」

会社のHP→四国管財株式会社 - 自分の夢を大切にする会社 (shikokukanzai.co.jp)

本書は会長である中澤会長がどのようにして四国管財を「独自性」のある会社を作られたか書かれています。

四国管財はお掃除会社です。同業他社との比較をしても掃除の技術力が高い、もっときれいにしてほしい、早くしてほしいといったことを追求しても競争戦略においては価格競争に陥る可能性が高いです。

しかし中澤会長は、顧客がほしいと思っている本当のことを知ってから衝撃を受けたとのことでした。

(顧客アンケートの結果、ビルメンテナンスに一番望むものは?という質問)

実に8割以上は「笑顔で仕事をしてほしい」というものでした。衝撃でした。お客さまは掃除についてではなく、スタッフの笑顔やあいさつといった応対の改善を望んでいたのです。

本書よりP33

同じ業界にいると近視眼的な発想や業界の常識に囚われます。

競争戦略における独自性は、顧客の視点からの発想がとても重要です。顧客視点でビジネスの方向性は一気に変わります。

中澤会長は本書でも数多くの方々のセミナーや勉強会、商工会といった勉強や情報の収集をされています。経営者が勉強家であるということは独自性のある中小企業では重要な共通項でもあります。

本書でも登場し帯にも書かれている福島正伸先生の「感動で経営をする」ということが四国管財の大きな起点になっています。

中小企業の独自性を語るうえで、「顧客に感動を与える」というフレーズが本当に当てはまると思います。

自社の商品・サービスを通じて顧客と接点を持つことにより、顧客がファンへと進化していく姿がよく見受けられます。

最近の日経新聞でもテイラーワークスの難波社長がコミュニティーが「第5の経営資源」として注目されています、という記事がありました。人・物・金・情報といった第5の経営資源が顧客を中心とするコミュニティー(従業員や協力会社も含む)が形成されると企業の独自性はさらに強くなります。

四国管財の独自性は「ホウ・レン・ソウ」にあります。

報告・連絡・相談といった社会人で習う当たり前のことを愚直に当たり前に行う、といったレベルではありません。

従業員の人は、仕事での失敗や成功も「ホウ・レン・ソウ」

自分の悩みも「ホウ・レン・ソウ」

顧客からのクレームもすべて「ホウ・レン・ソウ」

スマイルサポーターというお客様係がありそこで従業員や顧客もふくめ様々な情報を共有しています。

どんな小さな悩みやクレームでも、隠すことなく対応する。中澤会長は携帯電話がまだ自分しか持っていない時には24時間対応します、とのことで対応されていたようです・・・すごいΣ(・ω・ノ)ノ!

何でも相談、そしてしっかりと対応。従業員の方の心理的安全性も高ります。

クレームは宝の山

顧客からのクレームは四国管財では「ラッキーコール」と呼んでいるそうです。

クレームなんてモチベーションの下がる対応処理です。

そこを発想の逆転で「ラッキー」と呼ぶことに「脳」が「お?」と逆反応を起こしますね\(◎o◎)/!

従業員の方が現場で問題を起こしたときに隠さずに自己申告してもらうため、そして悩みや不安を解消することにより安心して働いていもらえるようにするためラッキーコールを大事にしているとのこと。

最近も三菱電機の隠蔽体質の記事が日経にありました。昔ながらの文化が行き過ぎると社内の風通しは悪くなります。

隠し事なしに安心して働いてもらうためには自主申告制度がしっかりと機能しています。

しっかりと顧客のクレームを対応することにより、さらに顧客との信頼関係は増し顧客から別の顧客を紹介されるという好循環が生じています。

従業員を守ることが会社を守るということにつながると本書にありました。

人と向き合うこと、人を大事にすることが企業の独自性は人から生まれるということにつながります。

あとがき

従業員の方の悩み事を解決できれば従業員の方はイキイキ働く。

イキイキ働く従業員の方の姿は顧客に感動を与える。

経営者が従業員へどのような職場環境を与えられるかで企業の独自性の発揮の仕方がよく分かった事例です。

人の悩みを聞く、傾聴する力がつきましたと中澤会長のすごさが経営の本質だなと垣間見えました ^^) _旦~~

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