業務スーパーの競争戦略
freeworks-web競争戦略は、同業他社とは競争しない独自性をもった競争優位な戦略です。
他社が簡単には真似のできない商品・サービスを作り上げ顧客に選ばれるまさに「無双状態」な会社をリサーチするシリーズ。
「2022/12/7 業務スーパーの競争しない経営 (著)森本守人」
業務スーパーの競争しない経営 | 森本守人 |本 | 通販 | Amazon
町のスーパーが時価総額１兆円になるまでの戦略
だれもやっていないスキマを探し見事に勝てる場所で勝つ。
スーパーという大手と同じ土俵で戦わず独自路線で「業務スーパー」を作り上げた神戸物産の沼田昭二元会長（現社長は長男の博和氏）
孫子の兵法の「戦わずして勝つ」の真髄が見えます。
業務スーパーが他のスーパーと違うのは、小売業と製造卸売業の両方の機能を持つからです。
業務スーパーは国内外に自社製造工場を持つ、まさにユニクロやニトリ、カインズと同じSAP（製造小売業）と言わているそうです(；ﾟДﾟ)
ただ92年から着手した別のビジネスが好調に推移し、会社の利益の約８割を占めるようになっていた。それは、中国で立ち上げた自社工場で製造した粉わさび、梅干しといった加工食品を、欧米の日本食レストランや専門店へ販売する製造卸売業。沼田氏はこの頃からすでに、製造業を志向していたのである。
本書よりP26
スーパーのビジネスモデルは業者から安く・大量に仕入れること。自社で製造するのはお惣菜ぐらいで、あとはPBと言っても生産委託している会社も多いなか、自前で固定費を持つという発想が同業他社との差別化へつつなかるんでしょうね(；ﾟДﾟ)
神戸物産の傘下に入る食品製造工場は、経営が思わしくない企業が入ります。
そこで傘下入りする条件が2つ
➀製品品目を数種類に限定する
➁他社との取引はやめ神戸物産のみに安く供給する
この2つの条件をのんだ企業が傘下入りするこになります。ただし、社長と従業員はそのまま残り、そのまま製造をするという・・・
たいがいの企業はその後、黒字化、給料をしっかり払う、製造設備の買い替えなど従業員の働きやすい環境へ整備されていきます。
本書では、ほとんどの製造工場が他社との取引のために数多くの製品ラインナップをもち、製造のたびに製造ラインが他社用に入れ替わり人件費や稼働率が悪かったように書いていあります。
神戸物産の業務スーパー用に絞ることにより、以前より価格よりは低い価格での提供ですが十分に利益がとれる状況になるそうです。
売上拡大のため他社との取引が大きくなればなるほど中小企業にはその負担が費用として大きくなるんですね(；ﾟДﾟ)
傘下の工場からは、業務スーパーでしか買えないヒット商品も多数でており、そして安い価格で消費者に提供さていることで集客力をもつ好循環が生まれています。また海外からの独自の商品アイテムの多さも選ばれる理由です。
この循環がFC（フランチャイズ）業へと展開されていきます。
業スーのFCは他のFCとはちがう！
製販一体の「業務スーパー」は直営店以外にもFC展開もされています。
どこかのコンビニでは店舗が支払うロイヤリティーの大きさが問題となっていますが業スーのロイヤリティはちがいます。
対する業務スーパーは、原則、仕入金額（商品原価）の1％という、超低水準に設定している。
本書よりP174
ロイヤリティの計算は、「売上から●％」や「売上－仕入から●％」が多いなかでの仕入原価の1％はすごいです＼(゜ロ＼)(／ロ゜)／
さらに前述した通り、業務スーパーは、原則、管理に手間のかかる生鮮食品を扱っていないため、店舗網を高速拡大できる高いポテンシャルを持っている。
本書よりP173
業務スーパーは製造卸売という商品があり、FC展開では「業務スーパーと商品」を提供されています。
これが、さらにFCをするうえでの強さ・・・FCオーナーはなんと「業務スーパー」と一緒に他のこともやっていいということです！
お酒＋業務スーパー
生鮮食品＋業務スーパー
フランチャイジーにとっては何とも魅力的なFC契約なのですΣ(･ω･ﾉ)ﾉ！
つまり戦略次第で、生鮮食品に限らず、基本パターンに任意の売場、品揃えを付加することが可能なのだ。言い方を変えると、加盟店が得意、強みとする売場、店舗と、業務スーパーというフォーマットを組み合わせることができる。
本書よりP171
国内に1000店舗近くある「業務スーパー」に理由は、こににありですね。
あとがき
業務スーパーのストーリー。
これは本当に誰かに話したくなるストーリーですね。
著者の森本さんの最後のメッセージも「なるほど！」と胸を打つストーリーがあります。
企業が独自性をもって活動を続ければ競争戦略のストーリーがいつのまにやらできていることに発見した人はうれしいでしょうね( ^^) _旦~~
