経営は実行、人材プロセスを理解する
経営を実行するための実行の本質とは、コアとなる3つのプロセス、人材プロセス・戦略プロセス・業務プロセスがあります。
あらゆる企業はこのプロセスがサイロのように孤立しています。
経営者はこのプロセスに重大な責任を持たないといけません。
今回は人材プロセスを勉強しましょう\(゜ロ\)(/ロ゜)/
「経営は実行」、この言葉にすべてが集約されます
「2003/2/1 経営は実行: 明日から結果を出すための鉄則 (著)ラリー・ ボシディ,(著)ラム・チャラン」
経営は実行: 明日から結果を出すための鉄則 | ラリー ボシディ, 高遠 裕子 |本 | 通販 | Amazon
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人材プロセスを理解する
戦略プロセス、業務プロセスを連動させるのに人材プロセスはかかせません。
要するに戦略も業務も実行できる人材がいないと絵にかいた餅になります。
しっかりした人材プロセスでは3つのことが実践されています。
第一に、各人を正確に深く評価する。
第二に、幹部となる人材を見極め、育成する枠組みをつくる。どんな企業でも戦略を実行するには、あらゆるレベルであらゆる種類のリーダーシップを発揮できる人材が必要になる。
第三に、協力な後継計画の基礎となるリーダシップ・パイプライン(補給線)を確保する。
本書よりP159
ほとんどの会社ではこれらを実践できていない(´;ω;`)ウゥゥ
従来の人材プロセスの最大の欠点は、過去に目を向け、現在のポストでの仕事の評価を重視している点にある。はるかに重要なのは、明日の仕事ができるかどうかだ。
本書よりP160
ある会社で開発部長をしていて功績もあげていた。それにより取締役にあげて事業全体の管理をさせたがその部長にはもともと経営を全体的に捉える力がなかった。事業管理は失敗に終わることもあります。
つまり企業の戦略の柱を実行するポストに適切でない人材を配置する決定は、よくあることだ。
~略~誰がその戦略を実行し、その能力を持っているか、というごく基本的な質問をしていない経営者が多すぎる。
本書よりP162
経営の実行にあたる実行部隊の適材適所の配置。経営者の役割は重々承知であるが、中小企業の経営者はここまで考えながら配置や育成について考えているのか疑問は残ります。肌感覚では多分できないような気がします( ゚Д゚)
しっかりした人材プロセスは、長期的にどのような人材へのニーズがあるかを確認し、それを満たすための行動計画を策定する協力な枠組みを提供する。
本書よりP166
構成要素その1 人材を戦略や業務と結びつける
戦略や業務を実行する人材を手配し、又はこれまでにない能力の人材が必要ならば確保することが必要です。
人材プロセスの第一の構成要素は、短期(二年まで)、中期(二年から五年)、長期(五年超)の戦略目標や業務計画目標と結びつけることだ。リーダーは、戦略を実行するにあたって適切な人材を適切な規模で確保することによって、これを実現する。
本書よりP167
人材を戦略、業務と結びつけることは、今後、会社が直面する課題を浮き彫りにするうえでも役に立つ。
本書よりP168
さてさて経営者はきちんと戦略、業務上必要な人材や職務を理解しているのか、、、甚だ疑問だ。
人事評価の能力評価において、スキルマップ(キャリアマップ)や職務能力評価シート等をまとめる必要はありますね。
構成要素その2 継続的改善、後継者層の充実、離職リスクの軽減を通して、リーダーシップ・パイプラインを形成する
中期と長期の目標を達成するためにはリーダーを育てる仕組みがあるかどうかにかかっている。
企業の競争優位を獲得するためにこれほど重要なことはない、と本書より\(◎o◎)/!
リーダーシップ評価サマリー
リーダーシップ評価サマリーを見ると、潜在能力が高く、昇進可能な人材が一目でわかる。業績と行動の両面で資質を兼ね備えた人材は、右上の四角に位置する。
本書よりP170
継続的改善サマリー
~略~達成未達成の主要な業績だけでなく、今後、改善すべき点が具体的に指摘されているんだ。継続的改善サマリーは、個人の業績改善に役立つ。
本書よりP172
後継者層と離職リスク分析
後継者層と離職リスクの分析は、人材計画と潜在性の高いリーダーシップ・パイプライン構築に欠かせないものだ。これらが一緒になってはじめて、「人材が当社の最大の資産である」というスローガンが意味を持ち、各人に何が必要か、横滑りや昇進の人事をどうすべきかを議論できる。この分析では、主要な人材を引き留めたり、予期せぬ退職者や昇進者を補充したり、業績不振者を入れ替えたりするのに何をすべきかにも重点をおく。
離職リスク分析では、各人の労働市場での価値、他社へ移る可能性、他社に移った場合の自社のリスクに注目する。
本書よりP174
日本企業では、辞める前提はないと思い込む経営者が多そう。日産でも次の経営者になれなかった人がニデックに行って社長になってたっけ。やはり永守会長に業績不振で辞めさせられたのかな?( ゚Д゚)
ここで人材評価の重要性について本書に書いてあります。
人材評価会議(本書では経営資源評価会議と書いてました汗)では幹部が直属の部下、さらにその部下の評価に責任を負います。会議では、他の幹部から質問(部下をどう育てているか、部下は成長しているか、業績不振者は何が原因か、上司はどんな手を打っているか等)が出るのでその質問や議論に対する準備をするのである。評価シートを記入して1週間前にその他の幹部やCEOに提出しなければならない。
この会議でとくに重要なのは、複数の見方や判断を示す点にある。どんなに優れたリーダーでも、つねに自分の印象だけに頼れるわけではない。評価に主観が入るのを恐れ、苦労している。しかし、何人かで評価すれば、判断は大きく変わる。おなじ人物を何人かが観察し、活発な議論ですり合わせると、主観的な見方は客観的な見方に変わるのだ。
本書よりP179
人づくり会議は重要である\(◎o◎)/!
ひとりの人物について、よく知っている人間を五人集める。五人が自由に意見を述べ、議論し、結論を導きだす。結果診断は、さまざまな見方を収斂したものになるだろう。これがしっかりした人材プロセスの核になる。
本書よりP181
1人で評価すると軸がぶれる可能性があります。評価軸がぶれると何のための評価か意味がわかりません。
幹部層で評価すること、話し合うことは重要です。
構成要素その3 業績不振者に対処する
部下をその地位に長く居続けさせるのは企業にとってはマイナスしか生みません。
業績評価がよいものは正しく評価し、業績評価が悪いものはその処遇を対処することが重要です。
どんなに人材プロセスが整っていても、つねに適材が適所に配置されるわけではないし、全員が素晴らしい業績を上げられるわけではない。実力以上に昇進したマネジャーは仕事を軽くしなければならない。辞めさせざるをえない場合もある。どちらなのかを見分け、苦痛を伴う行動をいかにうまくとれるかが、人材プロセスの最終テストになる。
本書よりP185
人材プロセスの一番難しいところですね( ゚Д゚)
やはり結果がでるから分かりやすい。
業績不振者とは、みずから立てた目標を達成していない人のことだ。
本書よりP185
辞めてもらうときにはしっかりと話し合いをしながら経営者としてプロセスの責任を担うのである。
構成要素その4 人事部門を事業と結びつける
経営を実行する、ということは経営者や幹部層が中心となっている話と思ってしまいます。
しかし人事部門の役割が実行の文化ではとても重要になってきます。
人事部門をビジネス・プロセスに組み込まなければならない。戦略や業務と連動させなければならない。
本書よりP188
昔の人事部門の役割は人材の採用や、計画のごく一部の実行だった。
しかし現在はちがう。CFOなど経営の意思決定の参加者とよく似ている、、、と( ゚Д゚)
いかに社員を教育し、能力を開発し、会社にとどまってもらうか、組織の勢いをつけ、士気を向上するか。人事担当者はこうしたスキルを磨くだけではいけない。企業のリーダーなら誰でも持っている資質を持っていなければならない。ビジネス感覚、利益獲得の仕組みと理解できる能力、批判的な思考力、結果を出すことへの情熱、戦略と実行を結びつける能力などだ。
本書よりP189
本書のラリー・ ボシディは経営する会社の人事部門を最初に強化し、それで会社全体を動かせるようになったとのこと。
中小企業では社長や幹部が人事部門を担うことになります。社員の教育、能力の開発についても「学習する組織」を作るうえでも仕組みをしっかりと考えないといけません。
人材プロセスの開発・維持で重要なこと、それは「率直な対話」です。
デューク・エネルギーの人事担当副社長、クリス・ロルフは、率直な対話こそ人材プロセスの「活力源」だという。これは、人材プロセスのなかでもっとも基本的な社会的ソフトウェアだ。
本書よりP194
デューク社が開発した評価モデルでは、コンピテンシーは四つある。業務スキル、ビジネス・スキル、マネジメント・スキル、リーダーシップ・スキルだ。
本書よりP195
こうしたコンピテンシーに照らして社員を評価するのに約一年かかった。その結果、でき上がったものは、評価ツールといったものを超えて、人材について語る共通の言語、共通の方法ともいえるものだ。当社では『彼はいいやつだ』とか『彼女は非常に聡明だ』とは言えない。『この人物には、業務を行なう能力がないようだ』とか『あの人物は現場優先で、戦略的思考がないようにみえる』などと言う」
本書よりP196
デューク社の人事評価はデータ化されているという。
システム化が進むと後継者計画にも役立ちます\(◎o◎)/!
システムのハードウェアは、人材プロセスの基礎であるにすぎない。「活力源」である肝心のソフトウェアは、組織の対話の中にある。つまり、共通の基準に照らして観察するプロセスにあり、これが率直な評価フィードバックにつながる。
本書よりP198
会社内での目線合わせとしての共通言語ができ理解が進むと、企業風土や企業文化にも良い影響を与えます。
適材を適所に配置するには、個人に関する情報を絶えず集め、部下が周囲と協力できるか、結果を出せるか、あるいは失敗するかをリーダーが知っていなければならない。これは適切な人材を評価し、選抜するノウハウを開発するうえで一貫性のあるプラティクスだ。
本書よりP200
人材プロセスは、個人の情報をしっかりつ集め観察し人事部門と連携しながら優秀な人材の教育、能力開発をする、、、
人が資産である、、、が、その資産をどこへ配置するかも経営者は分かっていないとダメですね。
あとがき
人材プロセスって本当に重要ですね。
人材こそが会社の富を生む。
次回へ続く~!